「なんでも食べてしまう帽子」が街を飛ぶ──LIVE BOARD×電通が生んだキャラクター「ライブボーシ」の舞台裏【インタビュー】
by on 2026年8月10日 in ニュース

LIVE BOARDをもっと街ゆく人々の目に止まるようなものにしたい──。デジタルOOHアドネットワークを展開する株式会社LIVE BOARDは、その課題意識から2025年初頭、オリジナルコンテンツの企画に着手した。株式会社電通と約1年半の構想・制作期間を経て生まれたのが、帽子型キャラクター「ライブボーシ」である。「なんでも食べてしまう」、この少し不条理なキャラクターは、LIVE BOARDが掲げるセレンディピティ(偶然の出会い)という価値をどう体現しているのか。
制作を担当した株式会社電通の萬田氏と、LIVE BOARDで本プロジェクトを推進した佐野氏に、今回の取り組みを聞いた。
(Sponsored by LIVE BOARD)
※インタビュー出席者の名前・所属等は写真の左から次のとおり。
萬田 翠 氏:株式会社電通 第1CRプランニング局 クリエイティブディレクション1B部 アートディレクター/ CMプランナー
佐野 祥子 氏:株式会社LIVE BOARD ストラテジー部/インサイト部 スペシャリスト
LIVE BOARDらしさを説明せずにどう生活者に伝えるか
―自己紹介をお願いします。
萬田氏:電通でアートディレクターをしている萬田と申します。普段はアートディレクションを中心としながら、企画・映像プランニングにも関わっています。また、会社の仕事とは別に絵本を作るなど、イラストレーターとしての活動もしております。
佐野氏:LIVE BOARDでデザイン業務を中心としながら、広報やインタラクティブな配信手法の開発、クリエイティブ関連などに関わっています。LIVE BOARDのことをより知っていただき、広告主と街ゆく人々とのワクワクするコミュニケーションを活性化させることができれば、と日々業務に取り組んでいます。

佐野氏
-今回、オリジナルコンテンツ・キャラクターを制作することになったきっかけを教えてください。
佐野氏:発端は「LIVE BOARDをもっと街ゆく人々の目に止まるようなものにしたい」という想いです。
元々はLIVE BOARDのコーポレートカラーであるブルーを使ったクールなクリエイティブを放映していたのですが、それだと街行く人の足を止めることはなかなか難しい。もっと「LIVE BOARDを街中でよく見るよ」、という声を増やしたり、「この媒体には価値があるな」と思っていただきたい。そう考えて、魅力のあるコンテンツを作ろうということになりました。
2025年の年明けから様々なクリエイティブチームの方々とコミュニケーションを重ねてきましたが、その中で、今回の私たちの目指す方向性や課題に対して、最も深く共鳴し、具体的な形としてご提案くださったのが萬田さんを含めたクリエイティブチームの皆さまでした。
-オファーを受けた際、萬田様は率直にどのような感想を抱かれましたか。
萬田氏:チームのみんなで会話を進めるなかで「キャラクターを1つのコンテンツとして作れば絶対に効果があるよね」という話は挙がっていました。
ただ、LIVE BOARDさんは、データを使って様々なことができるメディアなので、その特性をきちんと伝えるキャラクターを作るべきなのか、それとも本当にシンプルにすごく可愛いキャラクターを作るべきなのか、その塩梅の難しさは率直に感じていましたね。
佐野氏:我々からも「LIVE BOARDはこんなことが出来る」という直接的な宣伝をするのではなく、街行く人々がワクワクして、もっとLIVE BOARDのことを知りたくなるようなコンテンツにしたい、とお伝えしました。
ただし、そのうえでLIVE BOARDらしさも組み込んで欲しい。一見矛盾してしまうような、難しいお願いをしました。
OOHの魅力として、偶然の出会い=セレンディピティというものがあります。街を歩いていたら偶然目に留まる広告があり、その広告がその人のモーメント(生活者の状況や気分)をうまく捉えられた場合、広告の効果が最大化する。
LIVE BOARDのいいところは、ドコモのビッグデータを活用・分析して、この偶然の出会いを広告プランニングとして設計し、生み出すことができるという点だと思っています。ただ、これをそのまま説明してしまうと、まさしく「宣伝」で街中の生活者には響かないメッセージになってしまう。
そうではなくて、生活者の方には街中での偶然の出会いを偶然だと感じずにワクワクしてもらい、何度も見たくなる。そのようなコンテンツを実現できないかというところを、かなり丁寧にご相談させていただいて、様々な案をいただいたという形です。

萬田氏
不条理=偶然、ライブボーシが生み出す様々な出会い
-「ライブボーシ」はどのような着想から生まれたのでしょうか。
萬田氏:佐野さんが話してくださったような「偶然の出会いを演出するメディアである」というところは下敷きにしましたが、それをそのまま行儀良く説明するようなものだと、やはり街に馴染んで愛されるキャラクターにはなりづらいかなと。
という上で、ある種の不条理な感じというか、理屈だけではうまく説明しきれないところが大事なような気がしました。そうなったときに、これは言葉遊びでもあるのですが、ライブボードで「ライブボーシ(帽子)」だと。
帽子自体の感情だったり、なぜこの子がこういう行動をするのかが、あまりわかりきらない。だけど、みんなに被さったり、頭にぴょこんと乗ったりして偶然の出会いを演出してくれる、ちょっと不思議な子。そういう、少しだけ謎を残したような塩梅の帽子のキャラクターに着地していきました。

-デザイン面でのこだわりのポイントはどこにありますか。
萬田氏:本当にシンプルな帽子のキャラクターなので、顔の表情の絶妙な感じみたいなところは、こだわったつもりです。「なんだこいつ、憎めないな」と思わせる、若干の間抜け感みたいなところは大切にしました。
OOHメディアさんというのはどうしてもビジネスっぽい、真面目でかっちりした印象を持たれてしまいがちかなと思ったので、そういうイメージを少しでも柔らかくできるような、少し手作りの温かみ、揺らぎがあるニュアンスを大切にしました。
-ライブボーシを使ったキャラクター映像と企業用映像を制作されました。それぞれのコンセプトや狙い、ストーリーを教えてください。
萬田氏:大きく分けて、15秒のものが3本と、30秒のものが1本あります。
15秒のほうは、ライブボーシが色々なものを「食べちゃう」という内容です。羊だったり、おじいさんだったり、カニだったりを、偶然の出会いということで、急に食べてしまう。その結果として、彼らに少しだけ、予想もしなかったハッピーな出来事が起こる、というストーリーになっています。
こちらはシンプルにコンテンツとして楽しめるものになっています。街で流れていて「これはなんだ?」と思うような、ちょっと不条理でおかしい感じ。そういう印象がより強く出るように作っていました。
一方、30秒の少し長いものは、LIVE BOARDさんのセレンディピティな出会い、皆さんに色々な素敵な出会いをもたらしたいという思いを汲み取ったものになっています。色々な人の出会いを通じて、ライブボーシが世の中に広がっていくことが伝わりやすいようにしようと思って作りました。



15秒CM(羊ver)



30秒CM
ライブボーシが広告にいたずら?広告クリエイティブとの連動も視野に
-ライブボーシはどのような形で一般生活者の目に触れていく予定ですか。
佐野氏:7月1日からライブボーシのCM放映が開始されまして、全国のLBオウンドメディアを通じて色々な街で放映されています。社内でもとても好評なので、ぜひ第2弾、第3弾とコンテンツ映像を一緒に作っていけたらと思っています。また、Tシャツやステッカーなどのグッズ展開のほか、名刺やホームページにも入れたいなど、様々なアイデアが社員からも出ています。
-放映メディアとのコラボレーションも検討されていると伺いました。
佐野氏:LIVE BOARDの特徴として、媒体周辺の環境、天気や気象情報に合わせて広告配信を制御できる機能があります。例えば30度以上なら暑い日用のクリエイティブを放映する、雨が降っていたら雨の日用のクリエイティブを放映する、といったことが可能になっています。
ここにライブボーシが、広告に勝手にいたずらを加えるような形で登場しても面白いですね。雨の日には広告内の登場人物にライブボーシが勝手に傘をさしてあげる。花粉が強い日には、画面を埋め尽くす花粉をライブボーシがふーふーして画面を綺麗にしてくれる。
そんなふうに周りの環境と連動して、ライブボーシが広告にいたずらをする。それによって、街行く人々が「面白いな」とワクワクしてもらう瞬間を作れないかなと思っています。
ほかには実写化にも取り組んで行けたら面白いですね。実写のライブボーシとゲストが対談し、最後にゲストがライブボーシを被る。対談を通じて仲良くなれていたらハッピーになれるけど、仲良くなれていなかったら食べられちゃう、、、というのはどうでしょうか(笑)
まだまだ構想段階ではあるのですが、ぜひ一緒に考えていけたら嬉しいです。
萬田氏:私たちのチームでも、冬はニット帽になるとか、気温によってキャップになるとか、そういうこともできたりしたら面白そうだよね、という話はしたりしていました。
納品して「はいありがとうございました」で関係性が終わることも多い中で、これほど色々なご意見を出していただけるのは、すごく嬉しいですし、ありがたいです。ぜひ一緒に展開出来たらいいなと思います。
佐野氏:LIVE BOARDは2019年に創業した比較的新しい会社ですが、ゼロから作り上げてきたという思いもあり、自社への愛が強いメンバーが多いです。そうした中で初めて作っていただいたキャラクターの「ライブボーシ」というキャラクターは、私たちメンバーの思いを体現していると感じています。「ライブボーシのいたずらにより、街ゆく人々がちょっとハッピーになる」というコンセプトは、まさしくLIVE BOARDが実現したい未来の姿そのものです。なので、どうやってライブボーシを盛り上げていこうかという意見が活発に出ていますね。

LIVE BOARD「AOYAMA STREET BOARD」前にて撮影
ワクワクするコミュニケーションが生まれる環境へ
-最後に、ライブボーシを通じて今後、一般の生活者やクライアント企業に、LIVE BOARDをどのような存在として認知していってほしいですか。
佐野氏:広告主と生活者がワクワクするコミュニケーションを取ることができる媒体であると、認知してもらえるきっかけにできればいいなと思っています。
とはいえ、それを直接的に伝えるのはなかなか難しいので、まずはLIVE BOARDではハッピーなクリエイティブが流れていることを認知していただければと考えています。
私たちの願いは、生活者の潜在的な欲求を引き出すコミュニケーションを、適切なタイミングで取れるようにすることです。そういうコミュニケーションを、クライアント企業と一緒に設計できる環境を提供したい。想像していなかったけれど、本当は出会いたかったもの。そういうものとの出会いを作れる仕事なのだと、改めて感じる機会になりました。
萬田氏:まず広告業界内の方々には、LIVE BOARDの機能としての面白さや、チャレンジングな姿勢を持っているメディアだということをより知ってもらいたいですね。そのうえで、みんなで楽しい使い方を生み出して、考えていきたいなという気持ちがあります。
それこそクリエイターの方からも「面白い映像を流すにはどの場所が良いか」ではなく、「LIVE BOARDを使ってどんな面白い映像を流せるか」と、メディアを起点とした発想が出て来ても面白いですよね。
そのうえで一般の生活者の方からも、「あのメディアを見たら面白い映像が放映されているから見てみよう」と思われるようなものになったらいいですよね。まずは ライブボーシを通じて、そういう存在を目指していければ、素敵だなと思っています。
ABOUT 柏 海
ExchangeWireJAPAN 副編集長
日本大学芸術学部文芸学科卒業。 在学中からジャーナリズムを学び、大学卒業後は新聞社、法律・情報セキュリティ関係の出版社を経験し、2018年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。デジタル広告調査などを担当する。





